打ち粉を振り、 微妙な力加減で巻き付けていく
等間隔に切り揃え、冷凍庫で熟成させる
目にも止まらぬ早さであっという間に包みあげる
新聞が透けて見えるほどの薄さ
ツルトロのワンタンは口の中でとろけるような食感
熟成を経て厨房へ
スープやワンタンとの相性を第一に考えて作られる中細のプリプリ麺。太さ・形ともにとてもシンプルだが、その製造工程は極めて複雑。4種の小麦粉を使い、小麦粉ごとに塩、カンスイを別々にブレンドする。4層に貼り合わせることで独特な歯ごたえを持ち、ブレが少ない安定した麺を作ることができる。
※満月の麺は2013年春よりシルク麺にいたしました。これまで以上の心地よい喉越しをお楽しみください。
豚や鶏の旨みもたっぷり
ほんわりと香る魚だしが印象的なスープは、数種の煮干しの旨味と香りを強調したあっさり味。どこか懐かしく、じんわり体に染みわたるその味は最後の一滴まで飽きることなく飲み干せる。苦みを出さないように下処理に時間をかけ、季節や天候によって素材の量や煮込み時間を調節しながら煮込む。
昔から酒田では、ファミリー層にラーメンが人気だった
市内の自家製麺比率は8割を超える酒田ラーメン
酒田のラーメンは、大正15年に中国人が支那そばを屋台で引き売り歩いたのが始まりと言われています。味や技術の手ほどきを受けた弟子たちは新たな店を開き、次第に軒数が増加。最盛期には80軒ものラーメン店が軒を連ねました。
基本となる味は、あっさり醤油味。酒田ならではのトビウオの焼き干しをはじめ、煮干しや昆布などの魚介系のだしを効かせたスープが特徴です。さっぱりと澄んだ味わいは、最後の一滴まで飲み干してしまうほど飽きのこないおいしさ。関西の食文化でおなじみの昆布だしを使うのは、江戸時代に酒田を拠点に栄えた北前船交易で、上方文化がこの地に伝わった影響とも言われています。
もうひとつ、忘れてならないのは自家製麺です。日本で多くのラーメン店が製麺所で作られた麺を使用しているなか、酒田の自家製麺比率はなんと8割を超えます。一杯当たりの麺の量は平均200gと、食べ応えも十分です。